#21 PT

アルノー「（「望むものは魔王を倒したその後にある」と聞いて、何か思うところでもあるのか。少々沈黙した後、）
魔王を倒して、祖先のために武勲を立てる。……そう思って、家を出てきたんだが。
旅をするにつれ、魔王を討つことが目的ではない、とは、僕も思うようになったな。もちろん、倒すに越したことはないと思うけれど。」

アルノー「……君のように、明確な「目指すもの」は、僕にはまだ答えられない。今はそれを探している、というか、僕に何ができるかを、見極めたいと思っているんだが……」

アルノー「君の「目指すもの」というのは、訊いても良いいものなんだろうか。」

アルノー「よろしく頼む、ガスター。
君は耀華の出なんだな……私はリバーシで暮らしていたから、あまり詳しくないのだけれど。」

アルノー「私が知っているのは、機械が発達していること……それに独特な剣や服がある、ということくらいか。
ガスターのその服も、いわゆる耀華のものなのか？」

アルノー「……そうだろうか。ありがとう。
剣をとったきっかけは、騎士だった曽祖父なのだけれど、そう言ってもらえると嬉しいよ。
（と、照れ臭そうに笑った。）」

アルノー「君だって、剣が似合わないとは思わないけれど……でも、やっぱり斧を持っている方がポメロらしい、と思うな。」

アルノー「あ、いや、謝らなくても。最初に言い出したのは僕だし、それに、そうだな、戦闘のエキスパートとしてなら、剣も斧も使えるのが一番なんじゃないだろうか。
（よく分からないフォローを入れている。）」

アルノー「そうだな、斧よりは大分軽いと思う。
（「持ってみるか？」と、腰に差したの剣を指さした。頷くならば、鞘ごと差し出す。）
それぞれの武器に合った戦い方がある、ということだな。仲間が棒を使っているが、それもまた、取り回し方が全く違うし。」

アルノー「ああ、こちらこそまた手合せ願いたい。
……その時までに、また腕を磨いておかないとな。君に恥ずかしくないよう。」