#20 PT

メラノ＝ガスター「ふむ。
為らば己も高らかに声を上げる事が出来る。
何者にも必ず勝る強さ、己の命は其の為の手段だ。
(そういうと男は、軽く口角を上げた)」

メラノ＝ガスター「ああ……大体己の背丈の二倍ほど、だな。
あれほどの得物で刃も長ければ、扱うことも困難に思えるが、ああいう物を扱う術もまた技の一つと言えよう。
然し案内となると、生憎約諾は出来んな。
何故、己が何時まで命を繋いでいるものか、実に怪しい。(真顔でその様に返す)」

メラノ＝ガスター「さて、今まで触れたことがあるものは……徒手は自ずからとしても、杖・棒・剣・槍に弓、或いは椅子に至るまで、使える物は一通り学び、用いてきた。」

メラノ＝ガスター「其の剣もまた、旅の道連れと言ったところか。
好い在り方だな、己も参考にせねばならん。」

メラノ＝ガスター「その通り、歯車の、楽器を持った年少の者だ。
ディータと名乗っていたが……よもや既知の者だったか？」

メラノ＝ガスター「そ、そうか。
ポスト。
見た目で判断するなとは尽く言われる次第であるが……どうにも得る情報の限りでは、中々特別の親しみを感じ辛いというべきか……凄いな。」

メラノ＝ガスター「(一度ぴょんと宙返りする)
例えて言えば、走るが最も近しいかもしれんな。
之も、羽ばたかせるのみならず、踏み切りや空中での姿勢に至るまで、全身の力を用いるものだ。」