#130 PT

潮騒と木々の香りに包まれたこの町は、どこも人通りが絶えない。
魔王討伐を目指す旅人が最初に訪れる町の一つとあって、様々な思惑を持った人々、もしくは人ではない者も、集まってきている。
そして、ここにも一人……

町を歩いていると、立派なローブを着た男に会った。
ローブにはキシェタトルの国章が縫われていて、この国の兵士であることがわかる。

「新米の旅人、か。」

兵士は一瞥すると、見飽きたといったような感じでつぶやいた後、話し始めた。

「魔界に行きたいなら、北西の関所を抜ければすぐだ。
　が、その前に色々と巡って、この大陸を知るべきだろう。
　向こうの広場や、そこの酒場なんかは人が多いから、いい情報を聞けるかもな。」

そう言って、兵士は手近な広場を指差した。

「それに、関所を越えるには相応の実力が必要だ。
　町の警備や他の旅人の手助けをして、経験を積むべきだ。
　せっかくこの国に来たんだ。
　早々に死ぬような弱小じゃないことを願うよ。
　旅人を助けるための兵は割きたくないんだ。」

一通り話すと、男は往来の向こうへと去っていった。

アレーテ・アンティミノンとリープとサダルスードが出会った。
3人は意気投合し、同じPTとなった。