旅の終わり、大事な仲間に別れを告げたポストはふわふわと天国までの道を歩みます。
　その間に今までのことをたくさん思い出して、嬉しくなったり、切なくなったりしながら、起伏する感情の全てをポストは尊く思いました。
　
　そうして辿り着いたその場には、ポストにポストの姿を与えた方が優しい笑みを浮かべて待っていました。
　そして優しくポストを撫でます。


「お疲れ様、長い旅路だったね」

「修業の旅はこれで一度終わるけれど、今から始まるのは君の新たな物語さ」

「わたしたちには終わりが訪れることは滅多にない」

「だからその物語には終わりはないかもしれないし、限りある生命を持つ者と関わりを持とうとする君はこれから悲しい想いもたくさんするかもしれないけれど」

「でも、君ならずっと真っ直ぐな心でやり遂げてくれるって信じているから」

「おかえり、アージュ」